本文へスキップ

市民の作る新しいメンタルヘルスの形

オルタナティブとはAlternative

オルタナティブって何?

〇オルタナティブ教育(代替教育)は、現在の教育制度の隙間を埋める新しい教育の総称。
〇オルタナティブ医療(代替医療)は、通常医療の代わりに(あるいは平行して)使われる医療。鍼灸、民間療法など。
〇オルタナティブエネルギー(代替エネルギー)は、石油など現行のエネルギー資源に代わるエネルギー資源。
〇既存のシステム、概念にとらわれない別の選択肢。
〇現代日本の諸問題に対する答え、新しい人々生き方、考え方、社会の在り方をさします。

オルタナティブ協議会は既存の精神保健サービスに代わる市民中心の新しい精神保健の形を模索します。


オルタナティブ活動の理念

〇行き過ぎた医療化を批判し、市民中心の精神保健サービスを構築する試み。
〇精神保健(メンタルヘルス)を非病理的な視点で捉え、個々の市民を取り巻く環境の改善や全人的な問題解決を図る試み。
〇コミュニティへの参加や人々の連帯が、人々の幸福に寄与するとする考え方。
〇生産性や業績達成を重視する社会的文化に疑問を呈し、地域社会での相互扶助、自治的な組織をベースにした生活を実現する試み。
〇行き過ぎた効率主義、役割分担を廃し、全ての人が、全てのサービスの担い手となり得る地域社会の構築を目指す試み。


治療より回復(リカバリー)を目指す精神保健とは

我々の考えるリカバリーの基本原則

@精神科診断(病名)や薬物治療に囚われない

 病名に囚われるとそもそも精神症状を引き起こした原因を忘れ、いつのまにか原因を解決する事よりも、症状を消すことに躍起になる。薬物治療は、基本的に対症療法であり、何も根本的に解決などしない。生命の危険が迫っているような急性症状に短期的な薬の使用(対症療法としての)は容認されるが、漫然とした長期使用は薬剤性の新たな問題を引き起こす。ほとんどの患者にとって多剤併用、長期処方にメリットはない。


A治療よりも回復を目指す

 精神症状はその人の人生の危機における正常な反応と考える。病名はその人のその時の状態像を示しているに過ぎない。うつ症状や幻聴や幻覚もその人の置かれた状況からの防衛反応であると考えることが出来る。病名に囚われると、本人を追い込んだ本当の原因が見えなくなる。症状を消すことよりも、それを引き起こした関係性(社会や家族などとの)を問う必要がある。関係性の完全な解決が達せられないとしても、周囲の人々の解決への姿勢が本人に回復に役立つ。また、かつての精神病理学は、うつ病にしても統合失調症にしても、それほど転帰が悪くないことを示している。この事実は薬物治療よりも、回復を目標とし、自然治癒力を助長する取り組みの方が優れていることを示している。


B病院・施設での治療から地域社会での回復へ

 入院治療は、急性期での一時避難を除き回復には役に立たない。むしろ病状の悪化を引き起こす。出来るだけ入院を回避し、地域での回復を目指す。


Cなにより回復を信じること

 精神科診断や薬物治療に囚われ(例、統合失調症は一生治らない病気という説。薬は一生飲まなければならないと言う説)、精 神疾患患者のレッテルを貼られ障害者とされるとその人は一生障害者として、自分で人生を選択することが制限される。回復を信じない福祉や医療に囲い込まれるとそこからの脱出は容易でない。本人をそこに縛りつける言説を書き替え、自分の人生は自分で選択できるという回復のストーリーを信じる。本人と本人を取り巻く周囲の人々が回復を信じなければ、そこに回復はない。逆に回復を信じる人々の作るコミュニティが回復を促進する。


D安全安心出来る場を提供するコミュニティ(孤立を避ける)

 孤立からの解放と安心できる場を提供する。孤立は問題を複雑化させ、妄想や幻聴を増大させる。温かい人間関係を基に心理的な支援が得られる場では、安心して本音で話し合い、体験談を語り、感情を共有する。考える場、発言の場ともなり、人格と人格をぶつけあって、人間としての存在を認めあうことにつながる。


E主体性を育むこと

 自分たちが課題と考えることに取り組む。感情の表現の仕方に至るまで、社会から押しつけられていることへの異議申立て行う。他者の眼差しの中で生きていくのではなく、生活の主体者としての自分がどのようにありたいかに忠実に、主体的に選択した課題に取り組み、社会的に押し付けられた常識や言説を書き換えていく。主体的に選択した結果は、自分で責任をとることが出来る。


F相互援助を基本とすること

 援助を受けることには、依存心を助長し、自立心や自尊心を喪失させる側面がある。逆に援助を与えることには、積極的な意識を高める側面がある。参加者は互いに援助され援助する関係性を構築する。他者を援助できたという自信から、自分の人生を自分で決定しようとする意識が高まる。


G専門家は無力であること

 人は困難にある時、専門職の見解を求め、それに従う。専門職は正しいという幻想が刷り込まれているからである。市民は、権威ある専門職に依存し、逆らわないで従うことが正しく、立派な市民であると刷り込まれている。自分の人生の決定を専門家に委ねることは、依存心を助長し、むしろ病状を悪化させる。この社会的に押し付けられた言説を書き換え、自分のことは自分で決めて良いという主体性を取り戻す。本人に関する決定を本人の居ない場所で行わない。本人に関する全ての決定は本人を交えて行われるべきである。専門家を中心とする支配的な管理構造の元での治療の強制は病状を軽減しない。医療行為は本来的には傷害行為であり、原則治療を受ける本人の同意が必要である。全ての治療を受ける選択も服薬の選択も本人によってなされるべきである。


H第3者との対話がもたらす効能

 親子間のような親密な関係性においては、感情が前面にでて、問題を客観視できない場合が多い。上下関係のない平たい関係性の中で、他者の経験を聴くことにより、自身の問題を客観視することに繋がる。


I回復への取り組みは本人だけでなく家族や周りの人間にも必要

 回復への取り組みは、本人だけでなく周囲の人間を巻き込んで行われるべきである。せっかく回復しても、危機を引き起こした関係性、周囲の人々に刷り込まれた様々な言説を書き換える事がなければ、再び同じ危機に追い込まれる。本人を追い込んだ刷り込まれた言説を書き換えると同時に、周囲の人間の信じる言説の書き換えも必要。


全国オルタナティブ協議会準備室

お問い合せ

Mail info@alternativejapan.org

TEL 090-4628-3605